「マルティブルー」50周年を支える職人の手仕事
私たち白山陶器が日々お届けしている製品は、長崎県・波佐見町にある本社の工場でつくられています。作業場にはマシーン成形機の駆動音やコンプレッサーの音、生地を削る静かな音が響いているのが日常です。
1976年の誕生以来、半世紀にわたり同じ姿を守り続けている「マルティブルー」シリーズもまた、本社工場で職人たちの手によってひとつひとつ作られています。
50年間、一度も形を変えずに同じクオリティを保ち続けること。それは機械化やマニュアル化だけでは成り立たず、人の手による確かな調整や確認があってこそ成り立ちます。時代を超えて愛される「マルティブルー」の背景にある、生産現場をご紹介します。
成形前の粘土

天草陶石を主原料とする粘土が適度な硬さと直径に整えられ、製土工場から届きます。
マシーン成形


製品の基本となるのは、原料の天草陶石と「石膏型」、そして「コテ」。
季節や日々の天候によって変わる乾燥具合を見極めながら、粘土から成形していきます。
生地仕上げ


カンナをあてる角度や力加減は、長年の経験から生まれる職人の感覚によるもの。
意図された微妙な丸みを出し、表面をなめらかに仕上げていきます。
素焼窯


よく乾燥させた生地は、素焼専用の窯で約900℃の炎で焼成します。
生地はまだ脆く、ひとつひとつの取り扱いは慎重に行われます。
銘判パット


1958年に開発された白山陶器のロゴマークを、
絵付け


「マルティブルー」を象徴する、鮮やかな青い呉須の色彩。
均一な濃さを保ちながらも、手作業ならではのどこか温かみを感じさせる表情を生み出します。
錆蝋付け


縁に「
輪郭を際立たせ全体のデザインを引き締める伝統的な技法です。
施釉


器の表面を覆い、ガラス質となる釉薬を掛けます。
厚みにムラが出ないよう、一連の動作には迷いのない職人の技が凝縮されています。
本焼成




本焼成専用の窯に入れ、1300℃の還元炎で約12時間かけてじっくり焼き上げます。
窯が十分に冷めた後、慎重に窯出しを行います。
研磨・検品


窯から出した製品は
原料の調整から成形、絵付け、焼き上げ、そして最後の検品まで「マルティブルー」が持つ気兼ねなく使えるタフさと確かな美しさは、それぞれの工程で職人たちがバトンを繋ぐ、実直な手仕事のリレーによって支えられています。
変わらないデザインを、次の50年へ
白山陶器が目指すのは、一部の限られた人のための特別な器ではなく、なじみの器として人々の毎日に寄り添い続ける道具です。時代を超えて受け継がれてきたデザインと、波佐見の工場で培われた確かな製法。
半世紀前に誕生した「マルティブルー」と、いま生まれたばかりの新しいシリーズが、ひとつの食卓の上で調和する――。それは、どの時代であっても妥協なく追求されてきた作業精度と品質、そして暮らしの本質を見つめる一貫したデザイン思想があるからこそ生まれる美しさです。
昭和から平成、令和、そしてその先へ。これからもものづくりの現場から、変わらない安心感と、暮らしに寄り添う器をお届けしてまいります。




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